月刊ココア共和国 (電子本&紙の本) について
☆4月創刊号☆ (2020.03.23)
あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。
また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。
「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2020年12月31日に締め切られ「第1回いがらしみきお賞」「第1回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第6回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。
「月刊ココア共和国」 電子本の発売は各ネット書店より。275円(税込)。
紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。770円(税込)。
目次
◆招待詩
髙橋優花「あなた」
髙橋梨咲「私」
◆招待短歌
鈴木そよか「雨、止みませんね。」
◆招待詩
秋吉久美子「バットマン」
高階杞一「笑顔がいっぱい」
齋藤 貢「汚れたからだ」
瀬崎 祐「言葉屋」
草間小鳥子「蜃気楼の国」
◆4コマ詩
いがらしみきお「朝風呂」
クマガイコウキ「鋭いツッコミ」
秋亜綺羅「ドクターX様」
佐々木貴子「4コマ極太宣言」
◆投稿詩傑作集
浅見ひとよ「よるのくらがり」
氏家 忍「海」
うざとなおこ「風の時間」
奥田隆太「クイズ」
もいずみめい「家の眠りに就く」
◆追悼
秋亜綺羅「高取英ノー・リターン」
◆エッセイ
佐々木貴子「嘘八百屋」
秋亜綺羅「マスクをしないと死刑! 」
秋亜綺羅「新型コロナ陰謀説の陰謀」
◆小詩集
佐々木貴子「花園にて」
◆詩
秋亜綺羅「盲術」
<編集前記>
2020年4月1日、コロナくんの風が吹きすさぶ中、月刊詩誌「ココア共和国」がついに創刊を迎えました。
みんなで詩を楽しむことだけが目的の、小さくて薄っぺらな雑誌です。家庭の食卓に1冊いつも置かれていて、家族の誰かがパラリとめくり、この詩おもしろいね、なるほどねと談笑になることが、わたしたちの夢です。応募してくれた素敵な投稿詩たちがメインディッシュですが、詩壇の最前線にいるゲストの詩人にも登場してもらったり、特集を組んだりと、工夫した誌面作りをしたいと思っています。
記念すべき創刊号は、2名のハイティーン詩人とハイティーン歌人1名による、詩と短歌から出発します。髙橋優花の「あなた」は詩とことばの本質を鋭く突いています。日本人は日本語で、アメリカ人は英語で考えるわけですが、「あなた」 と「わたし」の言葉も異なることを発見します。髙橋梨咲の「私」は存在論でもあります。存在というのは、魂なのか、心なのか、脳なのだろうか、と考えさせられます。鈴木そよかの小歌集は、読むと涙が出そうなくらいに、読者の心を動かします。この3人は、ことばでではなく、詩で考える方法を所持しているということです。
ゲストとして秋吉久美子、高階杞一、齋藤貢、瀬崎祐、草間小鳥子に詩をもらっています。秋吉久美子は、わたしが大学生の時からの大ファンだというだけで、快く応じてくれました。すごいだろ。
いがらしみきおとクマガイコウキと編集部の2名で「4コマ詩」という新たな形? に挑戦しています。
編集長は佐々木貴子です。いつでも詩の投稿をお待ちしています。
(秋亜綺羅)
<編集後記>
「月刊ココア共和国」創刊号、念願のエイプリルフールを待ち、ついに刊行となりました。奇しくも不穏な日々において「詩で何ができるのか」という、もっとも根源的な問いを引き寄せながらの発行です。とはいえ逆風も追い風も、春一番と感じる今日この頃。なんの気負いなく、春うららと導かれ、桜の下でこっそり開く、そうでなくても鞄の中に忍ばせ歩く、そんな1冊になって欲しいです。
既に全国の皆さんから多くの投稿がありました。創刊号は紙面の関係上、投稿傑作集として5人の作品を掲載しました。浅見ひとよ「よるのくらがり」は特に一連目からインパクトがあり、半ば強引に目を開かされ白昼夢を見る思いでした。不在という誘惑は不思議と快楽にも通じているように思います。氏家忍「海」も魅力的でした。合わせ鏡の状態で存在している僕と海。いくら覗き込んでも僕の背中を見せてくれない海なのでしょう。そのほか、冷たさを軽みの中に遠ざけたうざとなおこ「風の時間」、理解という感覚を引き延ばし思考した奥田隆太「クイズ」、くじらに身を任せる脱力感がたまらないもいずみめい「家の眠りに就く」、秀逸でした。
今回、掲載できなかった皆さん、ごめんなさい。毎月の投稿作品をお待ちしています。編集部を驚かせ、積極的に詩で揺さぶりをかけて欲しいです。5月号ではさらに投稿作品を多く掲載する予定です。
秋亜綺羅、佐々木貴子の詩とエッセイ、それぞれ毎号、続きます。ご期待ください。装画は「季刊ココア共和国」から引き続き、柏木美奈子が描きました。制作は星川律子が担当です。本日、キリンちゃんは草団子、わたしは桜餅です。もぐもぐもぐ。
(佐々木貴子)
<執筆者>
☆秋亜綺羅(あき・あきら)
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、
『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)など。
エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜日術社出版販売・2017)。
丸山豊記念現代詩賞。
☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。
アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、
ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。
詩集に『いない いない ばあ』など。
☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』
『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。
☆草間小鳥子(くさま・ことりこ)
詩人。1987年生。神奈川県在住。
詩集に『てのひらに冒険』(私家版・2014)、『ビオトープ』(資生堂花椿文庫・2019)
第27回詩と思想新人賞、第14回北日本児童文学賞最優秀賞。
詩と声のユニット「Poetic Mica Drops」としてライブ活動も行う。
☆クマガイコウキ
映像作家・劇作家。1961年生。宮城県在住。
映画『ぼのぼの/クモモの木のこと』監督・脚本。
児童劇団AZ9 ジュニアアクターズ座付作家。
長編紙芝居『蛇蝎姫と慚愧丸』脚本、演劇『タルタロスの足湯』脚本など多数。
☆齋藤貢(さいとう・みつぐ)
詩人。1954年生。福島県在住。
詩集に『奇妙な容器』(詩学社・1987)、『夕焼け売り』(思潮社・2018)など多数。
第40回福島県文学賞、第37回現代詩人賞など。
☆佐々木貴子(ささき・たかこ)
詩人。1970年生。宮城県在住。
「詩とファンタジー」大賞、第26回詩と思想詩人賞。
第7回びーぐるの新人。
詩集『嘘の天ぷら』(土曜日術者出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞受賞。
「ココア共和国」編集。
☆鈴木そよか(すずき・そよか)
2001年生。宮城県在住。大学1年生。
第16回宮城県高等学校文芸作品コンクール短歌部門最優秀賞。
第11回角川全国短歌大賞特選 佐々木幸綱選。
☆瀬崎祐(せざき・ゆう)
詩人。1947年生。岡山県在住。
詩集に『窓都市、水の在りか』(思潮社・2012) 、『片耳の、芒』(思潮社・2016)など6冊。
個人誌「風都市」発行。第3回中四国詩人賞ほか。
☆高階杞一(たかしな・きいち)
詩人。1951年生。兵庫県在住。
詩集に『キリンの洗濯』(あざみ書房・1989)、『空への質問』(大日本図書・1999)、
『いつか別れの日のために』(澪標・2012)、『千鶴さんの脚』(澪標・2014)など多数。
H氏賞、三越左千夫少年詩賞、三好達治賞、丸山薫賞。
☆髙橋優花(たかはし・ゆうか)
2001年生。宮城県在住。
☆髙橋梨咲(たかはし・りさ)
2002年生。宮城県在住。高校3年生。文芸部で活躍中。
紙の本はこちらから
2021年 ココア共和国5月号
2021年 ココア共和国4月号
2021年 ココア共和国3月号
2021年 ココア共和国2月号