月刊ココア共和国 (電子本＆紙の本) について
☆12月号☆ (2023.11.28）
目次
●今月の１行
酉果らどん
●招待詩
川中子義勝「悲歌 或るパン職人の」
菅沼きゅうり「雨」
腹巻さしみ「籠城」
森崎 葵「金魚」
●招待エッセイ
望月遊馬「大晦日のできごと」
山羊アキミチ「死にたくないから書いていた」
●詩
佐々木貴子「純粋病棟」
●12月号投稿詩人のみなさんへ
秋吉久美子
いがらしみきお
●投稿詩傑作集Ⅰ
妻咲邦香「よくあること」
風 守「イマジネーション・ヘッド」
赤井紫蘇「死んだら幽霊」
佐々木紫乃「akashi」
柊「コイン」
木崎善夫「セキセイインコをさがしています。」
竹井紫乙「落とし物」
加藤万結子「山紫水明」
高山京子「ばか」
みたこ「ヒト」
熊野ミツオ「隙間の多い詩」
小高功太「モナリザが話しかけてきたんだよ」
三舟いと「From my room」
メンデルソン三保「わたしの空間」
●４コマ詩
いがらしみきお「ひとはほろびろ」
伊藤テル「やる気が出ない」
トウソクジン「現代４コマ」
佐々木貴子「盲目」
●投稿詩傑作集Ⅱ
にごび「楽な姿勢 （リスク）」
福田ささら「チノパン」
雲野くじら「雨降る午後に」
佐倉 潮「人魚」
杉本 順「紙の飛行機」
楸 眞弥「油絵」
角 朋美「喪失の女優」
和本果子「頭を割る」
酉果らどん「こわして、なおして」
まつりぺきん「握手」
高平 九「果実のせかい」
山雀詩人「カバン」
相原大輔「Hide and Seek」
遠藤健人「幽霊船」
●エッセイ
佐々木貴子「嘘みたい」
●投稿詩傑作集Ⅲ
道森祐輔「煙」
上原翔子「型抜きクッキー」
青羽ノウス「白線」
英田はるか「ネコのみい様失踪、その波紋」
梦紫凡百「明日の内側について」
まちだちづる「塔のある町」
あさとよしや「古井戸よ」
きむさん「月夜のラクダは夢を見る」
化野道夢「カウントダウン」
笠原メイ「ハミング・バード」
吉岡幸一「冷蔵庫の中の男」
こやけまめ「こびとじる」
近澤由茉「少女終末宣言」
桐沢もい
「悲劇の原理というか僕の個人的な願望」
南雲薙「僕の神隠し」
麦原アリノス「巡ることを。」
風巻けんず「を口あい。」
●投稿詩からの想い
秋亜綺羅
あきは詩書工房では、2020年４月１日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。
また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。
「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2023年12月31日に締め切られる「第４回いがらしみきお賞｣「第４回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第９回ＹＳ賞」の３つの賞に応募したことになります。
｢月刊ココア共和国｣ 電子本の発売は各ネット書店より。275円(税込)。ココア・ショップでもお求めになれます（PDFダウンロード版）。
紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。
４月号は３賞受賞特集号となり990円(税込)。
▼以下は電子版のみに収録 ❤
●投稿詩佳作集Ⅰ
冬崎霧雪「黒便屋さん」
表田のり子「会いたい」
チナ・スズキ「さめる」
田村全子「鼻毛の呪い」
まきいさお「なんとなく枕草子」
山羊アキミチ「ことづけ」
工能エマ「ある人間Αの人生」
桜井弓月「偽善者」
まつたく「次元についての言葉がない」
角田和美「片想い」
未縹あおい「標的を定めよ」
一守桃子「最期の20目」
小沢浩太郎「パパちゃんママちゃん」
ひなた「２０２６年××月××日」
西川真周「サンタプルーフ・チムニー・トップ」
小早川潤子「ジャズ」
田中傲岸「父と子」
高細玄一「こどもを殺すな」
香山ほたる「ループから抜け出せない」
七草すずめ「時間」
あたらしみな「人間もどき」
小林りおか「猫」
加藤雄三「歌をうたう詩人の唄」
瀬南 葵「存在証明」
月辺達矢「星の砂に帰る」
多上暁人「変身」
中村有史「麻痺」
亜鉛りんご「灯火」
田北展之「三人称」
のぐちみね「らしんばん座」
羊川 望「揺蕩う少女」
ギルル「世界とうんこ」
あち「天国のしっぽ」
かたね１６「ピンとこない感と魔女」
川嶋ゆーじ「何も聴こえない」
泊木空「拡大解釈」
●エッセイ
佐々木貴子「童謡について⑥」
●投稿詩佳作集Ⅱ
長谷川仁音「確認書類」
入間しゅか「じゃっかる」
川村真生「雪」
ピンクのペガサス「好きだよ」
齋藤 礼「自動筆記（七月十九日、一分間）」
柳沢 進「注釈の森」
くすりはみがき「残光」
そとねこ「薔薇を植える子猫」
茶 彩汰「蜃気楼」
夕空しづく「シュガークリスマス」
かづかこう「レウニオン この世界」
美登凛梓「渦の中へ巻き込まれて」
鏡文志「現代孫悟空」
emakoko「恋のDNA」
檸檬「見覚えのある制服の」
川崎愛弓「母の魔法」
南崎実穂「母子は秋の中で」
松本 徹「価値観」
真城六月「魔術師（タロット１番）」
佐藤潤華「告白」
詩餅「黄昏」
鈴木空来「きのうきょうあしたの恋文」
伊吹 一「白い魚」
ぺんぎん亭ぺんぎん「拝啓 あなたへ」
矢代レイ「晩夏」
清川彩無「澄み渡るように」
屑之瀬いら「人並みの生き方」
中嶋凉香「センチメンタルな夜」
月読マナ「紅葉の前」
へちゃ「ストーンヘンジ」
ももとら「どこから どこまで」
柏村ねお「招かれざる」
宮園伊雪「涙」
竹津健太郎「犬」
右馬帆乃夏「魔法」
弓 リツ「雲の上のゆううつ」
●エッセイ
秋亜綺羅「０.１％の可能性」
●投稿詩佳作集Ⅲ
好里「とわ」
たいらのら「匂いのない海」
とうだ「36.5」
池戸則子「お月見」
ぽん「そのまんまで社会」
倉太浪「揺り返す梦」
芦田晋作「花を求めて」
永沢こころ「蝶々」
秋山青生「ピリオド」
木下くるみ「水仙」
もとし「一生のお願い」
あきふかむ「信じると決めたら」
春待坂一水「抵抗」
械冬弱虫「シスター・スファレライト」
草野みつこ「漿液」
窪田三月「コインランドリー」
三葉 碧「太陽」
物部木絹子「しろいこいびと」
紺野 真「宙ぶらりんで夢を見る」
響きょう「まのあたり」
蒼ノ下雷太郎「絹のようなさわり心地で」
椿堂義明「ダウンロード」
紗智「亡霊」
井上璃乃「タイムトラベラー」
てづかみさこ「雨、だけど」
西藤そう「ぱん、ぱん。ぱん」
東京花束「天体観測」
スバル「理想郷での暮らし」
秋山 密「風喧嘩」
でおひでお「高熱仙人」
涙川火水「ただいまとおかえりの本名」
佐藤由芽「元気」
新道絵馬「届けたいのに届かない詩」
七寒六温「消化試合」
唯蓋尋「The Myth of Mars」
＜執筆者＞
☆秋亜綺羅 (あき・あきら)
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)、『十二歳の少年は十七歳になった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。
「ココア共和国」主宰。
☆佐々木貴子 (ささき・たかこ)
詩人。1970年生。宮城県在住。
2012年「詩とファンタジー」大賞。第26回詩と思想詩人賞。第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。「ココア共和国」編集。
☆秋吉久美子 (あきよし・くみこ)
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。
☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。
☆川中子義勝（かわなご・よしかつ）
詩人、ドイツ文学者、キリスト教思想研究者。
1951年生。埼玉県在住。
詩集に『魚の影 鳥の影』（土曜美術社出版販売・2016）、『ふたつの世界』（土曜美術社出版販売・2021）など多数。
アマーリエ・フォン・ガリツィン賞、日本詩人クラブ詩界賞受賞。
URL: http://www17.plala.or.jp/kawanago/
☆望月遊馬（もちづき・ゆま）
詩人。1987年生。広島県在住。
詩集に『焼け跡』（思潮社・2012）、『燃える庭、こわばる川』（思潮社・2023）など多数。
詩集『海辺に透きとおっていく』（思潮社・2019）にて第26回歴程新鋭賞受賞。
☆山羊アキミチ（やぎ・あきみち）
1983年生。石川県在住。
詩集に『家路』（私家版・2020）、ZINE「七月と猫と」（私家版・2023）。
☆菅沼きゅうり（すがぬま・きゅうり）
詩人。2002年生。新潟県在住。
第７回ＹＳ賞受賞。
☆腹巻さしみ（はらまき・さしみ）
詩人。1983年生。神奈川県在住。
第３回いがらしみきお賞受賞。
☆森崎 葵（もりさき・あおい）
詩人。1989年生。愛知県在住。
第２回秋吉久美子賞受賞。
☆伊藤テル（いとう・てる）
詩人。1987年生。新潟県在住。
第２回いがらしみきお賞受賞、第15回「１ページの絵本」入賞 。
＜編集後記＞
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。12月号の発行です。２０２３年も残り少なくなり、ますます寒くなってきましたね。仙台は秋というより、既に冬がそこここに。クリスマスを演出するなら雪が舞っていたほうが雰囲気があってよいですが、やはり「寒い」というだけで季節のうつろいに憂えたり、怯えてしまう。これは宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』ではないけれど、「東北」という土地柄のせいかもしれません。あるいは「本能」とは、そもそも、このようなものだったのかもしれない。そのようなことを考えながら、早くも冬の被毛に生え変わった愛猫の背中を撫でています。それはともかく、冬は「迎える」というより、「備える」もの。そして、備えあれば憂えなし？ とはいえ、自然への「畏怖」以上に、いよいよ本物の「師走」なのか!? と、カレンダーを二度見しています。マグカップに淹れたココアをゴクリと飲んで、まずは12月３日㈰の「言と音が加速する午後」を想い、年明けの３賞決定に向かって様々にシミュレーションしています。たぶん、今年も濃縮型の「師走」です。
さて12月号の詩のゲストに川中子義勝をお招きしました。詩人でありながら研究者でもある川中子。これまでの多岐に渡る活動を、わたしなどが数行で紹介することは困難で、ただただ川中子の思考の緻密な様が、詩にも研究にも何の隔たりもなく同じ地平において開かれていることに驚きを隠せません。このたびは、歌曲と見紛う端正な作品を寄稿いただきました。
ココアを代表する詩人の菅沼きゅうり、腹巻さしみ、森崎葵も絶好調。いつもメールで原稿やゲラのやりとりをしているのですが、「この作品を誰よりも先に読ませてもらっているのかもしれない」と、胸の高鳴りを感じながら添付ファイルを開いています。今号の作品も各々、完成度が高く、独自性が貫かれていて好感が持てます。
招待エッセイを望月遊馬にお願いしました。望月には以前にもココアに詩を寄稿いただいているので、ココアの読者なら望月が優れた詩人であることはご存知ですね。エッセイも格別で、読者は〝言葉にも肌理がある〟と、再認識することになるでしょう。また望月遊馬が詩人である所以、それさえもこのエッセイから読み取ることができます。
ココアからは山羊アキミチに登場してもらいました。生きることと書くことの狭間に灯され、灯してきた、言葉に対する山羊の真摯な態度。見事なエッセイとして結実しています。山羊の論考を掘り下げていくならば、おそらく、ある種の哲学が構築できると思います。何度読んでも「感涙」です。
４コマ詩は、いがらしみきお、伊藤テル、佐々木貴子。そして４コマ詩の狭き門を突破したトウソクジン。今までどこにいたのだ、トウソクジン！ と言わずにはいられない切り口の４コマ詩です。
12月号も秋吉久美子といがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、齋藤貢からも「絶賛」を選んでいただきました。今号の傑作集には46篇（４コマ詩投稿を含む）、そして佳作集（電子本のみ所収）に１０７篇の詩が掲載となりました。今回は、急に静岡県と山梨県からの投稿が増えていたのですが、何かあったのでしょうか。気になりますね。
秋亜綺羅の「投稿詩からの想い」も読み応えがあります。皆さまもお気づきでしょうが、感想を述べるだけなら簡単ですが、それぞれの詩の魅力と読みの骨格を数文字で提示し、それでいながら「伸びしろ」を示唆することは、誰にでもできるわけではないのです。こうしたことは非常に難易度が高く、わたしには難しいのですが、詩は読んでも書いても面白いのだと「投稿詩からの想い」で実感しています。
毎月の投稿、期待しています。
（佐々木貴子）
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