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月刊ココア共和国2025年3月号

 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2025年12月31日に締め切られる「第6回いがらしみきお賞」「第6回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第11回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。


 紙の本は770円(税込)。ココア・ショップまたはAmazonで販売しています。

 4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)。



目次


今月の1行

花野ひろ美


●招待詩

草間小鳥子 「かけら」


●長篇詩

滝本政博 「空から何かが」


●招待エッセイ

虹乃ノラン 「ことばの花を咲かせる。」

麦原アリノス 「回帰する言葉」


●5月号投稿詩人の皆さんへ

秋吉久美子

いがらしみきお


●傑作集Ⅰ

藤野 栞 「中間なら」

西川真周 「アンドロイドは電気羊の夢なんか見ねぇよ、バーカ」

藍原センシ 「天使人形」

川嶋ゆーじ 「いいね♡いくない!」

柊 「夢旅行」

佐倉 潮 「ノー・ブレイン」

ツチヤタカユキ 「バスケットボール・ジュリエット」

風 守 「た。」

三刀月ユキ 「象」

木崎善夫 「骨董屋なかもず堂」

百野虎子 「背景」

青星百恵 「月曜日のトランペット奏者」

帆立 「声」

でおひでお 「神殿」

揺籃 歌 「リモートキラー」


●4コマ詩

いがらしみきお 「じめん」

トウソクジン 「俳句」

まほろばしじみ 「裏垢」

瀧 音吉 「矢場の裏で」

佐々木貴子 「裏の犬」


●傑作集Ⅱ

水木なぎ 「屋根修復士」

むきむきあかちゃん 「イブ」

月森うさこ 「隣のマリア」

松井 「金魚の身」

岩佐 聡 「遠近法」

紅茶猫 「日曜日の午後」

麦原アリノス 「言葉の味」

岩下真理華 「ことば」

花野ひろ美「ねぇ、かめさん」

青藍 紫 「きみが」

能美政通 「靴を履け」

笠原メイ 「天国」

池田玲亜 「オワコン」

まみた 「不思議」

なかむらかほ 「放す」

てづかみさこ 「お父さん、」


●リレーエッセイ

京のふじ 「こういう機会なんでビッグマウスするかぁ」


●傑作集Ⅲ

あさとよしや 「地獄めぐりオプショナルツアー(★★★☆☆)」

佐伯千夏 「光芒」

中原明日香 「わたしのもり」

神浦恵里香 「猫と人『加筆修正』」

松本 徹 「いびき」

角 朋美 「時計葬」

賀鷺 「手首に住んでるラジオ」

宮せつ湖 「サギとペン先」

あきふかむ 「変身」

京のふじ 「ピザ」

伊藤テル 「コード進行書いてますし」

虹乃ノラン 「グラスに拾う。」

メンデルソン三保 「もったいない」

村井毘俊 「アノ子ノ事」

羽毛畑 「不燃性恋文」


●投稿詩からの想い

秋亜綺羅



以下は電子版のみに収録 


●佳作集Ⅰ

繭中舞百合 「背徳ピアス」

英田はるか 「ゼロ君の居場所」

桃口 優 「睡眠に関する考察」

ぺんぎん亭ぺんぎん 「とある乗客の主張」

中村ミロ 「天使の恋」

ハッピー浜田 「序」

緒方水花里 「そこの不思議」

一森キティ 「永遠に閉じられた口」

澪沢 澪 「レイクサイド」

道森祐輔 「21:00」

林 やは 「進化している」

まだらりょう 「寂寞」

ジンキントッシュ 「削りたての鉛筆」

自由一花 「最期の相手」

山根もなか 「バーンズ」

瞬 「道具」

田村全子 「顔」

秋野なるみ 「痛み、生まれる」

遠藤健人 「来る」

一文字せり 「ダイアナ」

慧 「種子の夢」

澁田 粋 「雑感 」

蝸牛 「おっさん」

妻咲邦香 「天使」

森きのこ 「思い出の箱」

紺乃未色 「砂場」

卯野彩音 「白い道」

CycleWakka 「交差点」

西岡 泉 「夕日はいつか赤くなれ」

箭田儀一 「52Hzのラジオ」

ピオの父ちゃん 「水仙と人魚」


●エッセイ

佐々木貴子 「漫画日和」


●佳作集Ⅱ

織田龍磨 「メメントモリ」

とりいじじ 「僕は カエル(4)」

夢野ありか 「私は私」

綾瀬 紫 「そうか、私は自己中なのか」

加藤水玉 「振り子時計のある旅館」

吉岡幸一 「孵化」

すみれ 「ちっぽけの私 」

久遠恭子 「色彩は枯れ落ちて」

草田路亞 「真理論」

まさき 「もうすぐで年長さんになる(口頭詩)」

神崎 翔 「古びたギター」

ビビ 「卒業」

池戸則子 「時代が違う」

中村有史 「菫と蜂蜜」

椿あらて 「夕月」

神木ねがい 「この花を契りの名と留めて」

入間川たとえ 「犬人間」

山羊アキミチ 「たいせつ」

永井江樹 「みどりいろがほしい」

石川ぼうず 「盛り場の地下にて」

風街ルパン 「一度しか会わない人」

たかはしまっく 「犬→ホッキョクグマ」

浬 「チュベローズと海」

雲野くじら 「箱入り娘」

白萩アキラ 「冷や水はいらない」

サイキシオリ 「あおい春」

つん 「茉莉花」

みたこ 「私」

野ばら 「彼」

椿堂義明 「セットミス」

鞍馬アリス 「文字狩り」


●エッセイ

秋亜綺羅 「蟻と会話したくなったらどうする?」


●佳作集Ⅲ

山雀ぐり 「地球ナウ」

くるちさと 「わたしの中の『わたし』という存在」

檸檬 「詩を書けば」

小笠原啓太 「はちみつ事変」

渡部嘉子 「銭湯」

中立明子 「いったっきりの命」

翠羽 「サーカスライフ」

文雨伽奈 「街灯少女供述」

たばたま 「プリン」

しいならん 「初恋」

エスプレッソ 「微熱」

古瀬詩織 「公園」

蒼ノ下雷太郎 「えがく」

化野道夢 「本心」

三月いつき 「向こう岸へ」

松原紫穂 「桜の花びら」

赤羽ひぃ 「アンダーグラウンド」

杉本 順 「『ごっど・ぶれす・ゆー』」

茶々 「おともだち」

泉あさか 「私が最強、が良いとは限らない」

雛森しおん 「蓮落ち」

谷口雅亨 「翼」

山田裕樹 「卒業」

あち 「表層」

中野輝基 「5G」

伊田晴翔 「潰れたバッタ」

花丸咲那 「カワイイ虚構」

倉橋駒子 「ナポリタン星雲」


●秋亜綺羅写真館


●編集後記

佐々木貴子



編集後記


 皆様、お元気でいらっしゃいますか。ココア共和国5月号の発行です。桜の季節の訪れとともに、新しい生活環境に入った方も多いことでしょう。忙しい日々にあるかと思いますが、時々で構いません、ほんの少しの時間をみつけてココア共和国を思い出してくださいね。

 さて3月号で今後、ココア共和国の3賞受賞者の招待詩枠を設けないとお伝えしたわけですが、その後、わたしたちの詩に対する意気込みや立ち位置を紙面から読み取り、それを応援してくださる方々から賛同、激励のお手紙を多く頂戴しています。徹底して詩の未来を切り拓くために、さらなる追求の姿勢を持ち続けていきたい、という気概をココア共和国から感じていただいたのだと思うと胸が熱くなります。本当にありがとうございます。

 5月号の詩のゲストに草間小鳥子。これまでにも草間小鳥子には詩とエッセイをココアに寄稿いただいているので、ご存知の方も多いことでしょう。そして多才な草間の多岐に渡る活動が見事に結実し、昨年刊行された詩集『ハルシネーション』(七月堂)が第75回H氏賞を受賞。受賞式は6月1日(日)、私学会館アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)にて開催の「日本の詩祭2025」。当日は、草間小鳥子の朗読や日本現代詩人会によるH氏賞の選考過程を聴くことができます。皆様、ぜひご参加くださいね。素晴らしい受賞式になると思いますよ。

 長篇詩に滝本政博。滝本は皆様、ご存知の第3回秋吉久美子賞の受賞者です。そう、実は招待詩枠ではなく、5月号から「長篇詩枠」を新たに設けました。早速、ココアの実力派・滝本政博の登場です。

 招待エッセイを虹乃ノランと麦原アリノスにお願いしました。虹乃ノランはココアの投稿者ではあるものの、小説家としても活躍しています。きっと普段は「虹乃ノラン先生」なのでしょう。ところで以前にも述べたことですが、招待エッセイは毎回、ほぼ同じ文面で原稿依頼をしています。原稿依頼は一緒でも、各々の《詩論・試論・私論》が全く違っているところが醍醐味ですね。「この人が今しか書けない」という鮮度の高さを見極め、的確に引き出すのが編集者の役目なのでしょう。つまり、その意味で投稿詩の選考と同様、招待エッセイも編集者の力量の見せどころ。それにしても虹乃ノランの筆力、詩人としての資質を隠しようがない麦原アリノス! ふたりの魅力が炸裂しています。

 4コマ詩はいがらしみきお、トウソクジン、佐々木貴子。今号の4コマ詩の投稿はまほろばしじみ、瀧音吉。4コマ詩の投稿についてのお知らせが遅れていますが、今度こそ近日中にココア共和国のホームページでお知らせいたします。お楽しみに!

 そして5月号に新しいコーナーができました。その名も「リレーエッセイ」です。初回は前号にエッセイを執筆した伊藤テルから、ご指名で京のふじ。エッセイのタイトルは伊藤が決めた「こういう機会なんでビッグマウスするかぁ」。つまりエッセイの執筆者が次号の執筆者とタイトルを決め、リレー形式でエッセイのバトンを渡すというものです。伊藤

テルが仕込んだ、京のふじのビッグマウス!

 今号も秋吉久美子、いがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、斎藤貢からも「絶賛」を選んでもらっています。傑作集に48篇(4コマ詩投稿を含む)、佳作集に90篇の詩が掲載です(電子版のみ所収)。読み応えのある1冊になりました。

 秋亜綺羅「投稿詩からの想い」も毎号、何にしても頭のよい人は違うなぁ、と感心しています。今号はトランプ関税に始まり、もちろん投稿詩を中心に言及。詩の感想だけなら簡単ですが、著者の伸びしろを示唆するのは並大抵のことではありません。

 毎月の投稿、期待しています。  

(佐々木貴子)



執筆者


☆秋亜綺羅(あき・あきら)

詩人。1951年生。宮城県在住。

詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『十二歳の少年は十七歳に

なった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ!』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。

「ココア共和国」主宰。


☆佐々木貴子(ささき・たかこ)

詩人。1970年生。宮城県在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想新人賞、第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。

「ココア共和国」編集。


☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)

俳優、歌手、詩人。1954年生。

『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。


☆いがらしみきお

漫画家。1955年生。宮城県在住。

『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』

『3歳児くん』『かむろば村へ』『Ⅰ』など多数。

日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。


☆草間小鳥子(くさま・ことりこ)

詩人。1987年生。神奈川県在住。

詩集『あの日、水の森で』(土曜美術社出版販売・2020)、『源流のある町』(七月堂・2022)、詩集『ハルシネーション』(七月堂・2024)。音楽家、俳優と結成したユニット

「Poetic Mica Drops」としてポエトリーショートドラマの制作ほか、多様な媒体で活動。

第14回北日本児童文学賞最優秀賞、第27回詩と思想新人賞、第75回H氏賞受賞。


☆滝本政博(たきもと・まさひろ)

詩人。1959年生。愛知県在住。

第3回秋吉久美子賞受賞。

詩集に『エンプティチェア』(土曜美術社出版販売・2023)。


☆虹乃ノラン(にじの・のらん)

小説家。1974年生。愛知県在住。

ハリケーンで全盲となった少年の軌跡を描いた『そのハミングは7』にて単著デビュー

(KADOKAWA・2024)。電子書籍に『銀盤のフラミンゴ』(ディスカヴァー21)、

コミカライズに『パーテルノステル』(ステキコミック)などがある。


☆麦原アリノス(むぎはら・ありのす)

1980年生。東京都在住。


☆トウソクジン

1997年生。埼玉県在住。


☆京のふじ(きょうのふじ)

1992年生。大阪府在住。

YCC(よしもとクリエイティブカレッジ)6期卒。

NSC(吉本総合芸能学院)39期卒。

2017年桂三金に入門。現在落語家として活動中。芸名は桂笑金。




月刊ココア共和国2025年3月号

 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2025年12月31日に締め切られる「第6回いがらしみきお賞」「第6回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第11回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 紙の本は770円(税込)。ココア・ショップまたはAmazonで販売しています。

 4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)



目次


今月の1行

向川 石


●招待詩

腹巻さしみ 「招待席」

真土もく 「+α」

木崎善夫 「骨董屋なかもず堂」

森崎 葵 「継ぐひと」

柊 「夜よ」

滝本政博 「あなたを待ちながら」

能美政通 「かみくだぐおがんばら」

菅沼きゅうり 「迷惑な客」


●招待エッセイ

伊藤テル 「オ・ブ・ラ・ー・トで包む文字」


●2024年度 3賞特集

3賞受賞者発表

第10回YS賞

ハッピー浜田 受賞対象優秀作品1「フラーテル・モルティスについての調査書」

ハッピー浜田 受賞対象優秀作品2「遠くの空から降ってくるのは」

ハッピー浜田 受賞対象優秀作品3「墓標になった少年」

秋亜綺羅 選考記録「加速度が止まらない」

佐々木貴子 選考の想い「しなやかな虚構」

ハッピー浜田 受賞の言葉「ハッピーを求めて 現在地」

ハッピー浜田 受賞第1作「山下大将、線路を走る」


第5回秋吉久美子賞

渋谷縷々子 受賞対象作品1「知らない朝」

渋谷縷々子 受賞対象作品2「適切な人生」

渋谷縷々子 受賞対象作品3「地獄行きの列車はまだ来ない」

秋吉久美子 選考の想い「それでも生きる」

齋藤 貢 選考記録「この痛みはどこから生まれてくるのか。」

渋谷縷々子 受賞の言葉「溶けあうこころ、人の形を保った私の言葉」

渋谷縷々子 受賞第1作「Everything I wanted」


第5回いがらしみきお賞

きむさん 受賞対象作品1「あの日の『村人A』」

きむさん 受賞対象作品2「カメのあきおくん」

きむさん 受賞対象作品3「空が痛い」

いがらしみきお 選考講評「詩を必要とする人」

きむさん 受賞の言葉「物語が育っていく」

きむさん 受賞第1作「枯野 いく」


●4月号投稿詩人の皆さんへ

秋吉久美子

いがらしみきお


●傑作集Ⅰ

揺籃 歌 「学校」

青星百恵 「宝くじを買いに」

西川真周 「六本指のお針子と狼男の破れたシャツ¥」

ツチヤタカユキ 「でもね、えっと、あのね、うん。」

はなまるみかん 「なんにも知らない夢を見た」

麦原アリノス 「恐るべき脅迫状」

伊藤テル 「緑のおばさん」

中村ミロ 「パラダイスマンション」

西岡 泉 「見たこともない青空」

阿呆木種 「404」

吉岡幸一 「戦争」

百野虎子 「オルゴール」

才木イチロウ 「僕」

たばたま 「まるごと」


●4コマ詩

いがらしみきお 「ゆきにかたをたたかれる」

まほろばしじみ 「俊敏なザクロ」

トウソクジン 「すれる」


●傑作集Ⅱ

山本葉月 「日曜市」

砂歩 吟 「わたしの言葉」

河上 蒼 「想像力?」

あさとよしや 「春のリハーサル」

向川 石 「初恋の人体模型たち」

でおひでお 「タイトル」

七寒六温 「俊敏なザクロ」

蝸牛 「俊敏なザクロ」

あかざわかんな 「来世はロックスターになりたい」

杉本 順 「新聞詩」

松陰 玄 「祈り」

メンデルソン三保 「めろめろ」

boog 「シラス」

太田 葵 「celebration」


●傑作集Ⅲ

桃口 優 「せんたくする人々」

唯月さくらこ 「音なき夜」

裏路地ドクソ 「ウエディング」

ピオの父ちゃん 「宇宙人がやってきた」

椿堂義明 「不死身」

太田ユミ子 「さくらおばあさん」

文雨伽奈 「(詩(人(を(きざむ」

浬 「三日月ランドリー」

松井 「鬼と電車」

たけしたゆみ 「インク」

やならいや 「迂回ルート」

雲野くじら 「春の備忘録」

一森キティ 「ある雨の日のマリア」

浦城亮祐 「渡し守」


●投稿詩からの想い

秋亜綺羅



以下は電子版のみに収録 


●佳作集Ⅰ

飛鳥井ナノカ 「巡る夢の中で」

朝紀革命 「檻の中……」

桑島明大 「はくし」

山雀ぐり 「旅に出ます」

石川ぼうず 「(株)お化け総合サービス 呪い営業二課 就職希望」

田村全子 「頭髪」

佐倉 潮 「みにくい町」

笠原メイ 「不幸な画家」

なかむらかほ 「日食」

たかはしまっく 「楽園へ」

川嶋ゆーじ 「しゃぼんだま」

ウロタンケツ・ケタ 「うさぎ」

夢野蝶 「ビバ! 日常系萌えアニメ」

近藤太一 「さん」

ぺんぎん亭ぺんぎん 「高熱が出た」

高平 九 「トゥルースジュース」

山中従子 「わたしは」

池戸則子 「知っていますか」

ヤツレウナギ 「私/ワタシ増殖日記」

澪沢 澪 「もっと」

むし 「壁越しの会話」

岩佐 聡 「他人のつくりかた」

泊木空 「スクランブル交差点の悪魔」

みたこ 「答」

松本 徹 「白く染まれ」

北川 聖 「食事」

金森さかな 「生活の余剰」

しいならん 「僕にあるもの」

野ばら 「かもしれなくて」

オズのうろこ 「茜色」

繭中舞百合 「君を汚したい」


●書評

佐々木貴子 「道標に触れて」


●佳作集Ⅱ

HOCA 「わたし」

とりいじじ 「一凛」

葛原 兄 「雪国」

矢代レイ 「パイルの空」

田志健斗 「机上」

風街ルパン 「世界史」

空白 「逃避」

humi 「ミルフィーユ」

結木うい 「健康的な生活」

チナ・スズキ 「におい」

角 朋美 「透明な遠くへ」

エスプレッソ 「櫛風沐雨」

那須茄子 「飴色に焼ける」

神谷りくと 「六花と火の花」

宮せつ湖 「みるく星」

中野輝基 「雑記」

山田裕樹 「ミックスジュース」

タロウ 「過去を恥じる心」

木暮万稀 「たしかめる」

藍原センシ 「組曲」

長谷川ひかり 「若葉」

藤井ひろ 「サタンにもなる」

Antares 「魔法が解けた絵」

ありとおる 「おそらのフック」

変詞のゼリー 「ウォーター」

新開アザミ 「三キロの自由」

山羊アキミチ 「未来」

温風 「宇宙定食」

中林 翼 「美容医療はファッションだって」


●エッセイ

秋亜綺羅 「トランプがハートのエースを出しちゃった」


●佳作集Ⅲ

帆立 「散歩」

永井江樹 「はじまりのすきま」

三十水舟 「永遠の遅刻」

花野ひろ美 「思いやり」

てづかみさこ 「さみしい夜は」

永井典花 「遠い人」

紺乃未色 「齧られたから」

谷口雅亨 「青い魔法の軌跡」

小畠あかり 「叫び」

空蝉 「ごめんなさい」

末埼鳩 「白を待つ」

泉あさか 「のようなもの」

箭田儀一 「第二言語」

夏伐夏生 「Destiny」

渡邊アーチボルト 「全くの突然にあなたは、そこを去るあなたを発見する」

一文字せり 「サブタイトル」

幻ノ月音 「詩なんて」

竹之内稔 「ドラえもんは 造られなかった」

前田雪彦 「汚れた四月」

賀鷺 「瞳葬」

檸檬 「愛しのエカテリーナ」

英田はるか 「ネコのみい、ソンボウノキキ!」

どすな 「嫉妬」

十和秘芽花 「水色の春の中では」

いちのちかこ 「心づく」

紅茶猫 「日曜日の午後」

遠藤健人 「区切り」

ふじよしけい 「穴から見える世界」

たいらのら 「ペットが好き」

田中傲岸 「悲しみサウルス」


●秋亜綺羅写真館


●編集後記

佐々木貴子



編集後記


 皆様、ココア共和国4月号の発行です。3賞受賞特集号という「祝祭」にようこそ。今号は歴代の受賞者も集い、増ページでのお届けとなりました。

 詩のゲストに腹巻さしみ、真土もく、木崎善夫、森崎葵、柊、滝本政博、能美政通、菅沼きゅうり。招待エッセイには伊藤テル。各々の仕込みが効き、これでもか、と唸らせられる作品ばかり揃っています。伊藤の久しぶりのエッセイも実に潔い!

 3賞受賞特集は、最初に第10回YS賞受賞のハッピー浜田が登場。選考評を秋亜綺羅と佐々木貴子。続いて第5回秋吉久美子賞受賞の渋谷縷々子、選考評を秋吉久美子と齋藤貢。第5回いがらしみきお賞受賞のきむさん、選考評をいがらしみきお。選考評だけでなく、3名の受賞の言葉からも詩論を読み取ることができます。ぜひ、読んでくださいね。

 4コマ詩は、いがらしみきお、トウソクジン、まほろばしじみ。ココア共和国には真剣に遊べる大人が急増中!? ところで4コマ詩の募集について近日中にお知らせがあります。ココア共和国のHPを、チェックしていてください。

 投稿詩、傑作集には43篇(4コマ詩投稿を含む)、佳作集に90篇の詩が掲載になりました(電子版のみ所収)。なおココアの受賞者による招待詩の枠が無くなりました。既にエッセイ寄稿の伊藤テルが臆することなく力技を披露しています。詩の世界を塗りかえることを厭わず、むしろリードしてしまうであろう詩誌「ココア共和国」にますます多才な書き手

が集うことを期待しています。応援、お願いします。

 秋亜綺羅の「投稿詩からの想い」も刺激的で読み応えがあります。今一度、4月号で俯瞰するべきかもしれませんね。詩人はいつから詩人になるのか。

 毎月の投稿、楽しみにしています。

(佐々木貴子)



執筆者


☆秋亜綺羅(あき・あきら)

詩人。1951年生。宮城県在住。

詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『十二歳の少年は十七歳に

なった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ!』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。

「ココア共和国」主宰。


☆佐々木貴子(ささき・たかこ)

詩人。1970年生。宮城県在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想新人賞、第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。

「ココア共和国」編集。


☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)

俳優、歌手、詩人。1954年生。

『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。


☆いがらしみきお

漫画家。1955年生。宮城県在住。

『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』

『3歳児くん』『かむろば村へ』『Ⅰ』など多数。

日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。


☆齋藤 貢(さいとう・みつぐ)

詩人。1954年生。福島県在住。

詩集に『奇妙な容器』(詩学社・1987)、『夕焼け売り』(思潮社・2018)、

『遠い春』(思潮社・2024)など多数。

第40回福島県文学賞、第37回現代詩人賞など受賞。


☆ハッピー浜田(はっぴー・はまだ)

詩人。2009年生。東京都在住。


☆渋谷縷々子(しぶや・るるこ)

詩人。2005年生。東京都在住。


☆きむさん

詩人、童話作家。1961年生。岐阜県在住。

詩を書くかたわら、童話作家・志津栄子としても執筆活動を続けている。

著作に『雪の日にライオンを見に行く』(講談社・2023)、

『ぼくの色、見つけた!』(講談社・2024)、『かたづけ大作戦』(金の星社・2024)など。


☆腹巻さしみ(はらまき・さしみ)

詩人。1983年生。神奈川県在住。

第3回いがらしみきお賞受賞。


☆真土もく(まつち・もく)

詩人。2002年生。長野県在住。

第6回YS賞受賞。


☆木崎善夫(きざき・よしお)

詩人。1969年生。大阪府在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」(かまくら春秋社)詩部門優秀賞受賞、

月刊詩誌「詩人会議」2020年・2023年 投稿欄「自由のひろば」年間優秀作品表彰。

第4回秋吉久美子賞受賞。


☆森崎 葵(もりさき・あおい)

詩人。1989年生。愛知県在住。

第2回秋吉久美子賞受賞。


☆柊(ひいらぎ)

詩人。2004年生。宮城県在住。

第9回YS賞受賞。


☆滝本政博(たきもと・まさひろ)

詩人。1959年生。愛知県在住。

第3回秋吉久美子賞受賞。

詩集に『エンプティチェア』(土曜美術社出版販売・2023)。


能美政通(のうみ・まさみち)

詩人。1980年生。秋田県在住。

第1回いがらしみきお賞受賞、第1回秋田県短詩型文芸大会詩部門入選。

未来屋54字の文学賞入賞。


☆菅沼きゅうり(すがぬま・きゅうり)

詩人。2002年生。新潟県在住。

第7回YS賞受賞。


☆伊藤テル(いとう・てる)

詩人。1987年生。新潟県在住。

第2回いがらしみきお賞受賞。第15回「1ページの絵本」入賞 、第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト佳作、「デジタルノベルコンテストVol.1」受賞など。


☆トウソクジン

1997年生。埼玉県在住。




月刊ココア共和国2025年3月号

 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2025年12月31日に締め切られる「第6回いがらしみきお賞」「第6回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第11回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 紙の本は770円(税込)。ココア・ショップまたはAmazonで販売しています。4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)。



目次


今月の1行

伊田晴翔


●招待詩

池井昌樹 「もうひとり」

真土もく 「魚」

木崎善夫 「辻占い」

藤野 栞 「スノードーム」

滝本政博 「ノスタルジア」

能美政通 「また会うとの言葉どおり春の雪から破り捨てる」


●招待エッセイ

一森キティ 「詩は誰のものか」

まほろばしじみ 「キックボード旅情」


●3月号投稿詩人の皆さんへ

秋吉久美子

いがらしみきお


●傑作集Ⅰ

川嶋ゆーじ 「マジック0」

ツチヤタカユキ 「Finger prints」

美天 「嫌われもの」

西岡 泉 「もうやってらんない!」

空蝉 「ありがとうが ▇ くて吐きそうだ」

紺野 真 「だって、愛だから」

阿呆木種 「しょーもな」

倉橋駒子 「炎の飼育」

むきむきあかちゃん 「呑気」

渋谷縷々子 「拘泥する生命」

下 「開いた口」

西川真周 「アウフヘーベン屋」

桃口 優 「命を宿した無機物」

中村ミロ 「遺言」

田村全子 「ダイヤモンドアートの魔法」


●4コマ詩

いがらしみきお 「ば」

腹巻さしみ 「言葉の壁」

伊藤テル 「とらさんは尖ってない」


●傑作集Ⅱ

吉岡幸一 「命の木」

笠原メイ 「鈍行ブルース」

一森キティ 「宝探し」

結木うい 「檻の中」

ユキノカケラ 「当たるも八卦」

とりいじじ 「僕は カエル」

メンデルソン三保 「パイプ煙草」

松陰 玄 「ひばしら」

文雨伽奈 「普遍」

宮せつ湖 「雪女面接試験」

ふじよしけい 「インタビュー」

ウロタンケツ・ケタ 「鼻」

西村日和 「夜に」

アルコル 「鬼ごっこ」


●4コマ詩

トウソクジン 「〈わたし〉へのギフト」

まほろばしじみ 「卒業写真」

瀧 音吉 「弁別表層」


●傑作集Ⅲ

てづかみさこ 「年賀状一枚」

遠藤健人 「軽くシャー」

桑島明大 「澗冬」

露野うた 「惜別」

前田雪彦 「三月の鏡」

伊田晴翔 「ねえ バロン」

大野美波 「いたい」

石川ぼうず 「娘よ、父はパチンコを辞めた」

青星百恵 「おばあちゃんの元カレ」

佐倉 潮 「緘」

花丸咲那 「魔法ヒーローわたしちゃん」

繭中舞百合 「サウナ」

加藤水玉 「カナリアを捨てる」

西尾省吾 「落ちた人形」


●投稿詩からの想い

秋亜綺羅





以下は電子版のみに収録 



●佳作集Ⅰ

帆立 「手品師」

あおなゆみ 「タイムトラベルの実話」

百野虎子 「革命」

裏路地ドクソ 「クジラと猫」

きぎ 「ペンギン」

三月いつき 「罫線のはなし」

まったりねずみ 「母」

山羊アキミチ 「爪」

一文字せり 「ヒートショック」

金森さかな 「見ている」

藍原センシ 「夜行性アンチ」

秋野なるみ 「星の骨」

妻咲邦香 「草原」

常盤坂もず 「火球を見た」

河口國江 「信仰」

真夏あむ 「ice cream」

七海独 「無所属」

神木ねがい 「斎藤唯織」

麦原アリノス 「苺の目」

綾瀬池春 「雪虫」

蒼樹ほのお 「自信」

矢代レイ 「近況報告」

図師幸村 「銀歯の伯母」

波尾剣斗 「はじまり」

小林須央 「短い針と長い針は交わることなく」

泊木空 「県民ピアスホール」


●エッセイ

佐々木貴子 「たいへん、たいへん、たいへん」


●佳作集Ⅱ

山下重人 「詩の広さ」

角 朋美 「推しが卒業する」

雪水雪技 「学年プリント」

池戸則子 「赤ちゃんの卵」

松井 「娘」

宇里宙実 「想像の波」

永沢俳里 「前夜話」

きたきりこ 「のひと」

ひなた 「あさごはん」

オオサキヒロヒト 「北へ向かう」

神谷りくと 「硝子筆」

戸田和樹 「少年時代」

神崎 翔 「マツモト」

向川 石 「古い絵画」

どすな 「冬のある日」

福富ぶぶ 「声」

卯野彩音 「人形秘話」

田志健斗 「休日」

南雲エマ 「大人になれない」

榊 槐 「金星」

チナ・スズキ 「えくぼ」

揺籃 歌 「ズルい春」

泣く人 「音楽の鳴る場所」

西岡俊貴 「光明の翼」

藤沢 恵 「ブランコ」

でおひでお 「天使」


●エッセイ

秋亜綺羅 「逆さに考えるとやっぱりヘン」


●佳作集Ⅲ

塚本このみ 「KISS」

おわん 「宇宙の外側」

檸檬 「朝一番の珈琲は美味しく飲むと決めている」

椿堂義明 「それでいい」

しおり 「スイートピーさん」

野ばら 「春しおん」

坂本盟美 「じぶんの腹がわりと好き」

近藤太一 「玉ねぎソース」

こういち 「五十三歳の地図」

スナシ 「文学賞」

化野道夢 「空を眺める」

杉本 順 「通勤電車の天才」

川名海至 「方向転換」

みたこ 「もう一度」

平松秀章 「虹の色が足りない」

目を見てください 「原稿用紙には」

やならいや 「てか」

三刀月ユキ 「課金」

水木なぎ 「青りんご」

龍可音 「君は昔、ボクが殺した魚だね?」

雲野くじら 「ジャムトーストは冷めている」

あち 「ぬか床でねんね」

道森祐輔 「紅」

永井江樹 「遠慮がち」

水産 「みんなとぼく」


●秋亜綺羅写真館


●編集後記

佐々木貴子



編集後記


 皆様、お元気でいらっしゃいますか。ココア共和国3月号の発行です。ちょうど、創刊60号目となる3月号。早いもので「ココア共和国」も創刊から5年です。間もなく春だわ、とは思うのですが、実はその程度ではありません。いよいよ2025年4月号の3賞受賞特集号を前にして、運命の羅針盤が、これがまたダイナミックに動き出しました! ついにココア共和国の大改革!? この編集後記では伝えきれないほどのココア共和国の節目ともなり得る事柄ですので、より多くの方々に、わたしたちの決意表明ともいえる純度の高いビジョンを知っていただきたいと思います。できたら今号は、まず秋亜綺羅「投稿詩からの想い」を読んでいただきたいのです。そして、今後のココア共和国に、ご期待ください。

 なおこの改革(?)に先立ち、1月中は、これまでのココア共和国の受賞詩人の方々に連絡し、今後の方針とその確認、疑問への応答など、毎号の発行とは異なる動きをしておりました。率直なところ、この改革で誰かが困るならたいへんなことですが、むしろココア共和国が詩の世界にやや大きめの一石を投じたことで、詩壇の〝思考停止〟状態とも思われた自費出版という世の不思議が解明されるなどして、詩そのものが新たな一歩を踏み出すことになるのではないか、と感じています。少なくとも自費出版で詩集を発行していくことの限界と、詩のマーケティングを考えるよい機会となることでしょう。

 そして、わたし自身に関していえば筆一本で生計を立てる術を、生まれてこの方、様々に試行錯誤し、また実践しています。とはいえ、「ココア共和国の犠牲になっていて可哀想」「皆の犠牲になってくれて、ありがとう」といった、他者の小さな思いやりの一言が大きな悩みの種になってのしかかり、これが時々、疼くのでありました。まだ全然、犠牲になっていませんが、どうしたものでしょう。

 さて。3月号の詩のゲストに池井昌樹。これまでにも池井には何度かココアに寄稿していただいているので、読者の中には池井昌樹ファンもいることでしょうね。今号は平仮名を自在に操り、最終行で見事な浮遊感を醸し出しています。

 続いて招待詩には真土もく、木崎善夫、藤野栞、滝本政博、能美政通の作品が続きます。真土の作品は冒頭の行わけから散文詩に流れ込む疾走感に迷いがなく、小気味のいい仕上がりになっています。一方、木崎の作品は積極的に思考の袋小路に読者を誘い、自ずと読ませる仕組み。藤野はスノードームという、ある種の普遍性のもつ儚さを描きました。また日々の移ろいと異次元を各詩行に織り込んだ滝本、能美は新たな抒情への挑戦作。

 招待エッセイをココアから一森キティとまほろばしじみにお願いしました。このエッセイは毎回、ほぼ同じ文面で原稿依頼をしているのですが、一森は「詩は誰のものか」という、あの朗読中の出来事としての詩の行方について言及してくれました。とても根源的かつ大切にしたいテーマだと思います。そして4コマ詩で活躍中のまほろばも珠玉のエッセイを寄稿。遊びと旅情を結びつける視点は流石です。

 4コマ詩にはいがらしみきお、腹巻さしみ、伊藤テル、トウソクジン。詩の技だけでなく、人の業までもが可視化される4コマ詩ですが(?)、今号の腹巻の「言葉の壁」には脱帽です。ぜひ、ご覧ください。投稿4コマ詩には、まほろばしじみ、瀧音吉。

 今号も秋吉久美子、いがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、斎藤貢からも「絶賛」を選んでもらっています。傑作集に45篇(4コマ詩投稿を含む)、佳作集に77篇の詩が掲載です(電子版のみ所収)。読み応えのある1冊になりました。今年も「ココア共和国」を携えて春を迎えてくださいね。

 毎月の投稿、期待しています。  

(佐々木貴子)



執筆者


☆秋亜綺羅(あき・あきら)

詩人。1951年生。宮城県在住。

詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『十二歳の少年は十七歳に

なった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ!』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。

「ココア共和国」主宰。


☆佐々木貴子(ささき・たかこ)

詩人。1970年生。宮城県在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想新人賞、第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。

「ココア共和国」編集。


☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)

俳優、歌手、詩人。1954年生。

『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。


☆いがらしみきお

漫画家。1955年生。宮城県在住。

『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』

『3歳児くん』『かむろば村へ』『Ⅰ』など多数。

日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。


☆池井昌樹(いけい・まさき)

詩人。1953年生。東京都在住。

詩集に『月下の一群』(思潮社・2001)、『童子』(思潮社・2006)、

『眠れる旅人』(思潮社・2008)、『明星』(思潮社・2012)、

『古い家』(思潮社・2021)など。

現代詩花椿賞、詩歌文学館賞、三好達治賞、現代詩人賞など受賞。


☆一森キティ(いちもり・きてぃ)

1966年生。アメリカ在住。


☆まほろばしじみ

1980年生。東京都在住。

詩誌「凪」同人。


☆真土もく(まつち・もく)

詩人。2002年生。長野県在住。

第6回YS賞受賞。


☆木崎善夫(きざき・よしお)

詩人。1969年生。大阪府在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」(かまくら春秋社)詩部門優秀賞受賞、

月刊詩誌「詩人会議」2020年・2023年 投稿欄「自由のひろば」年間優秀作品表彰。

第4回秋吉久美子賞受賞。


☆藤野 栞(ふじの・しおり)

詩人。2006年生。富山県在住。

第58回岐阜市文芸祭入選。第2回丸山薫「帆・ランプ・鷗」賞優秀賞。

第8回YS賞受賞。


☆滝本政博(たきもと・まさひろ)

詩人。1959年生。愛知県在住。

第3回秋吉久美子賞受賞。

詩集に『エンプティチェア』(土曜美術社出版販売・2023)。


☆能美政通(のうみ・まさみち)

詩人。1980年生。秋田県在住。

第1回いがらしみきお賞受賞、第1回秋田県短詩型文芸大会詩部門入選。

未来屋54字の文学賞入賞。


腹巻さしみ(はらまき・さしみ)

詩人。1983年生。神奈川県在住。

第3回いがらしみきお賞受賞。


☆伊藤テル(いとう・てる)

詩人。1987年生。新潟県在住。

第2回いがらしみきお賞受賞。第15回「1ページの絵本」入賞 、第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト佳作、「デジタルノベルコンテストVol.1」受賞など。


☆トウソクジン

1997年生。埼玉県在住。




ここはどこだ。ここはココア共和国。きょうはここらでココアにしよう。

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一般財団法人

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