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 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。

 また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2024年12月31日に締め切られる「第5回いがらしみきお賞」「第5回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第10回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。

 4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)。



目次                     

●今月の1行

彩結ゆあ

​​

​●招待詩

木崎善夫 「 サードオピニオン」

藤野 栞 「夢みる仮面」

真土もく 「虫」

能美政通 「ら」

滝本政博 「飛びだした虎」

●招待エッセイ

橘しのぶ 「川の詩人」

繭中舞百合 「血を分け合って生きる」

●詩

佐々木貴子「純粋病棟」

●11月号投稿詩人のみなさんへ

秋吉久美子

いがらしみきお

●投稿詩傑作集Ⅰ

ハッピー浜田 「遠くの空から降ってくるのは」

揺籃 歌 「正夢」

トロッコ 「夜勤」

渋谷縷々子 「日記をつけた、その日のこと」

眞夜中眞央 「放課後優等生」

樋口 塁 「Defictionalization」

繭中舞百合 「地球ノ生活」

たけしたゆみ 「夏」

ツチヤタカユキ「ヘクトパスカル・マエストロ」

百野虎子 「時計」

化野道夢 「未だ一翼も還らない」

チナ・スズキ「ヘッドボーンバックフィッシュ」

近藤太一 「パンダ」

萩原すう 「罪と罰」

桑島明大 「いち、たす、いち」

●4コマ詩

いがらしみきお 「かぞくりょこう」

伊藤テル 「横2コマ詩(ドミリさん)」

腹巻さしみ 「言化け」

原島里枝 「春の幻視」

トウソクジン 「現代4コマ」

まほろばしじみ 「爪」

虹乃ノラン 「脳内サーキュレーター」

佐々木貴子 「理由」

●投稿詩傑作集Ⅱ

楸 眞弥 「願い」

山下山彦 「ゴリラ」

雲野くじら 「真愛なるおばあちゃんへ」

小倉俊太朗 「ハコ」

朝野いの里 「緑の湖畔」

宇野有輝恵 「帰路」

あきふかむ 「波に望んで」

道森祐輔 「Happy Birthday」

加藤水玉 「将来の夢」

辻原カケル 「空想と比喩」

露野うた 「夜明けの街」

空蝉 「明日、怪獣がやってきて」

佐藤由芽 「母」

彩結ゆあ 「下描き」

吉岡幸一 「間」

​●エッセイ

佐々木貴子「家出する家がない⑦」

 

●投稿詩傑作集Ⅲ

田村全子 「キョウケン」

青星百恵 「メイドロボのいる老後」

青葉夜 「真珠の涙」

帆立 「一人の戦士に贈る賛辞」

七寒六温 「ドラキュラ」

高山京子 「向日葵」

三島光一 「ステーション」

空白 「これだから葛藤」

池戸則子 「夏まつり」

山雀ぐり 「夕暮れ」

瀬若葉 「感情のかたち」

ギルル 「うちのバカ犬」

桃口 優 「ココロ」

ハコニコウシ 「秘密の植物」

●投稿詩からの想い

秋亜綺羅



以下は電子版のみに収録 

●投稿詩佳作集Ⅰ

三十水舟 「九月になったら」

柳沢 進 「ダーウィンを待ちながら」

とりいじじ 「サボ サボ サボテン」

七海独 「カーテン」

こうやみずき 「便り」

笠原メイ 「大遅刻」

銭形ルパン 「悪路」

神浦恵里香 「朗らかなうた」

高平 九 「あの子は歌うのをやめた」

若山 聡 「ミライのみく」

黒崎せな 「記憶遊泳」

田志健斗 「スポイルマン」

大島弥子 「模倣犯」

檸檬 「マルセイユには行ったことがある」

幻ノ月音 「これでも私は幸せです」

古森もの 「天使形」

やならいや 「長い長い作戦」

池田玲亜 「水溜まり」

ぺんぎん亭ぺんぎん「嫁さんの実家にいるネコちゃん達」

夕空しづく 「否・アンチ否定」

E 「銀歯」

裏路地ドクソ 「ピリオド」

タロウ 「虫」

角田和美 「いつまでも」

メンデルソン三保 「詩の歴史」

金森さかな 「みずをのむのがへた」

西川真周「大きな肉塊のある小さな港町(あるいは爆発したクジラの歌)」

結木うい 「パワースポット」

逃避行 「街角にゆうれい」

●エッセイ

佐々木貴子「エンディング」

●投稿詩佳作集Ⅱ

松井 「ある眠れない夜に」

佐藤てお 「前兆」

五十嵐真人 「お母さん」

弥生土器 「I’m おでこ」

西岡 泉 「オーディション」

伊賀ちひろ 「葬式」

胡雪 「役員会議」

朝紀革命 「詩に死を」

唯月さくらこ 「お花」

風 守 「不完全」

川嶋ゆーじ 「静かなる窓辺」

大野博司 「流れる」

益山弘太郎 「想像 と intonation 」

詩餅 「泥酔」

蒼ノ下雷太郎 「雨の日のイチジク」

小池竜太 「永遠に触れて」

松本 徹 「君と僕」

長尾 衛 「運命」

図師幸村 「逆さ」

君島わさび 「クリスマスの夜」

紺野 真 「ちょこ、と小さい」

大里柊平 「アファンタジア」

妻咲邦香 「ファーストキス」

美天 「パニック症」

山羊アキミチ 「小さな世界、大きな愛」

碧 はる 「いさんをてにした」

泣く人 「展望台にて」

入間しゅか 「私だったのかもしれない」

●エッセイ

秋亜綺羅

「給食費は子どもがいない大人が払うべき」

●投稿詩佳作集Ⅲ

成瀬真由 「幸せの沈黙、はたまた羊水」

浦本立樹 「小夜」

銀色鯨 「『さようなら』のうた」

ウロタンケツ・ケタ 「手遅れ」

志水命言 「吐露」

福富ぶぶ 「ふらん」

秋月光輝 「22歳の誕生日」

西尾省吾 「九月生まれの女」

街口ねず 「私は不幸になりたい」

川下りか 「誕生」

工藤哲椰 「消して白紙になれ」

桜井弓月 「月光」

あおなゆみ 「君は本当に、安らぎなのか?」

みたこ 「白い手紙」

坂本盟美 「つき」

ソネット 「夜の窓と水滴」

細田小雨 「ドーナツ改造部」

みやもとあいり 「一昨日の夜」

谷口雅亨 「ほころび」

角 朋美 「祖母のイチイ」

てづかみさこ 「落ちたハート」

でおひでお 「対症療法」

宮園伊雪 「WHO」

湯村りす 「ほんとうのことは」

響きょう 「飛翔体」

西村日和 「時」

一森キティ「クリーブランド・ボタニカル・ガーデン」

村田活彦 「つま-づく」

よしおかさくら 「超」

山下真里奈 「ココア共和国のうた」

​●秋亜綺羅写真館




編集後記

 皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。ココア共和国11月号の発行です。

 2024年も残り少なくなりましたね。本当に、それ以外に何があるのかと思うのですが、残り少ない、この時間とやらは減っていくしかないのでしょうか。少なくならない時間、減らない方法を考えたいと思いつつ、それを煮詰めるよりも、せめて一度くらいは映画『カサブランカ』を真似て「そんな昔のことは覚えていない」「そんな先のことは分からない」くらい言える大人になりたい、と思う今日この頃。時間の増減だけでなく、一瞬の出来事に濃淡を与えてもよし、時間は得るもの、逃すものと捉えるのもよし。秋の夜長、ぼんやりしていると何も始まらない大人になってしまうかもしれませんね。

 11月号の詩のゲストは木崎善夫、藤野栞、真土もく、能美政通、滝本政博の5名です。実は毎号、ココア共和国の編集の過程では、著者とゲラのやりとりの連絡だけでなく、近況を報告しあったり、何やら突然、詩について熱く語りあってみたりと、詩作の方向性をともに探りながら、楽しく意見を交わしています。社交辞令、以外から垣間見られる他者の〈他者性〉が、今、どれほど魅力的か。〝袖振り合うも他生の縁〟とは言いますが、詩人たるもの、わずか1行の詩で通りすがりの人の心をつかみ、縁を手繰るばかりか、縁の定義を変えることもできてしまうのではなかったでしょうか。その意味で今号も、飛ぶ鳥を打ち落とす勢いのある、鳥よりも高く飛んでいるのでは、という作品が揃いました。

 招待エッセイを橘しのぶにお願いしました。以前から橘しのぶの作品に憧れていたのですが、ようやく念願成就ということで、寄稿いただきました。橘のエッセイに脈打つ詩の焦がれは、まさに詩との距離を言語化したものかもしれません。夏に出版された、橘しのぶ詩集『水栽培の猫』(思潮社)の細やかな感性と、このたびのエッセイ、ぜひ、合わせて読んでいただきたいです。清らな心のままに、敬愛の念を抱かざるを得ない優れた詩人です。そしてココアからは繭中舞百合に原稿をお願いしました。繭中の文学としての土壌から現代詩への希求を読み解くとき、読者は繭中舞百合のエッセイと橘しのぶのエッセイに流れる、詩という血筋を見い出すことでしょう。また、繭中のエッセイ後半には特に印象深い箇所があり、感動します。

 4コマ詩はいがらしみきお、伊藤テル、腹巻さしみ、佐々木貴子。投稿4コマ詩として原島里枝、トウソクジン、まほろばしじみ、虹乃ノランと続きます。狭き門に集う4コマ詩人たち。さらに磨かれ、天井知らずの盛り上がりとなっています。4コマ詩には絵を使わないというルールがありますが、既成の概念を十分に覆し得る場となっているようです。皆さまもどうぞ挑戦してみてください。応募の詳細はココア共和国編集部まで。ホームページ経由で、お問い合わせを。

 11月号も秋吉久美子、いがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、斎藤貢からも「絶賛」を選んでもらっています。傑作集に48篇(4コマ詩投稿を含む)、佳作集には88篇の詩が掲載になりました(電子版のみ所収)。ありがたいことに、いつも幅広い年齢層の方から投稿いただいています。今号は十代前半の投稿者の作品も掲載になりました。今後、ますます凄いことになっていきそうですね。

 秋亜綺羅「投稿詩からの想い」は毎号、惜しげなく現代詩の未来予想図を読者に与え続けています。詩の書き方を直接、述べているわけではないのですが、著者の手から離れた作品が他者に委ねられ、他者の手元で呼吸しているということ。これを知ることも、学びのスタイルのひとつだと思ってます。 毎月の投稿、期待しています。  

(佐々木貴子)




執筆者

☆秋亜綺羅 (あき・あきら)

詩人。1951年生。宮城県在住。

詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)、『十二歳の少年は十七歳になった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。

「ココア共和国」主宰。 


☆佐々木貴子 (ささき・たかこ)

詩人。1970年生。宮城県在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想詩人賞、第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。

「ココア共和国」編集。​


☆秋吉久美子 (あきよし・くみこ)

俳優、歌手、詩人。1954年生。

『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。


☆いがらしみきお

漫画家。1955年生。宮城県在住。

『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。​

☆橘しのぶ(たちばな・しのぶ)

詩人。1960年生。広島県在住。

詩集に『道草』(七月堂・2022)、『水栽培の猫』(思潮社・2024年)など多数。2004年度「詩学」新人、第3回サンリオいちごえほん童話グランプリ、アンデルセンメルヘン大賞入賞。詩集『道草』にて第19回日本詩歌句随筆評論大賞詩部門奨励賞。

☆繭中舞百合(まゆなか・まゆり)

1990年生。徳島県在住。

2018年度「詩と思想」投稿欄年間最優秀作品選出。

​​

​☆木崎善夫(きざき・よしお)

詩人。1969年生。大阪府在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」(かまくら春秋社)詩部門優秀賞受賞、月刊詩誌「詩人会議」2020年・2023年 投稿欄「自由のひろば」年間優秀作品表彰。第4回秋吉久美子賞受賞。


☆藤野 栞(ふじの・しおり)

詩人。2006年生。富山県在住。

第58回岐阜市文芸祭入選。第2回丸山薫「帆・ランプ・鷗」賞優秀賞。第8回YS賞受賞。

☆真土もく(まつち・もく)

詩人。2002年生。長野県在住。

第6回YS賞受賞。

☆能美政通(のうみ・まさみち)

詩人。1980年生。秋田県在住。

第1回いがらしみきお賞受賞、第1回秋田県短詩型文芸大会詩部門入選。未来屋54字の文学賞入賞。

​☆滝本政博(たきもと・まさひろ)

詩人。1959年生。愛知県在住。第3回秋吉久美子賞受賞。詩集に『エンプティチェア』(土曜美術社出版販売・2023)。

☆伊藤テル(いとう・てる)

詩人。1987年生。新潟県在住。

第2回いがらしみきお賞受賞。第15回「1ページの絵本」入賞 、第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト佳作。​

​☆腹巻さしみ(はらまき・さしみ)

詩人。1983年生。神奈川県在住。

第3回いがらしみきお賞受賞。


 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。

 また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2024年12月31日に締め切られる「第5回いがらしみきお賞」「第5回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第10回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。

 4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)。




目次                     

●今月の1行

乙間針璃

​​

​●招待詩

麻生直子「積雪」

森崎 葵「リカちゃん」

腹巻さしみ「夢の共演」

柊「思い出の味」

菅沼きゅうり「楽しいこと」

●招待エッセイ

雲野くじら「十五歳の私が見ている」

でおひでお「詩はどこから来るのか

●詩

佐々木貴子「純粋病棟」

●10月号投稿詩人のみなさんへ

秋吉久美子

いがらしみきお

●投稿詩傑作集Ⅰ

ツチヤタカユキ「ラジオカセット」

古森もの「ひどく夏めいた病についての研究報告」

卯野彩音「レモンの旅」

ハッピー浜田「生は草の上で」

渋谷縷々子「天邪鬼」

麦原アリノス「焦げた手紙」

笠原メイ「運動会とボスの秋空」

でおひでお「黒電話」

一森キティ「ツバサ」

松井「おとうと」

竹之内稔「寝 こ の伝説」

三十水舟「100カラットの情事」

雲野くじら「宝物入れ」

佐倉 潮「情けない週末」

ギルル「健康」

●4コマ詩

いがらしみきお「むし」

伊藤テル「写真で一言」

原島里枝「なりたい」

トウソクジン「現代4コマ」

まほろばしじみ「アーカイブ」

虹乃ノラン「今日は雨だ。わりとひどい雨だ。」

小林椰子「ことのは、ことのば」

佐々木貴子「さよなら」

●投稿詩傑作集Ⅱ

坂本盟美「ヒーローわたしを助けないで」

那須茄子「想い忘れ」

高山京子「晴れた日には」

田村全子「雨後物語り」

杉本 順「鳥を」

西川真周「教会のある町(あるいは剥製にされた猫たちの夢)」

青葉夜「向日葵畑で追いかけて」

末摘花紅「あの空にいちばんちかい場所」

メンデルソン三保「おんなの オアシス 奥じゃない」

嶋本 晨「別れの跡に」

樋口 塁「収骨tech室」

文雨伽奈「邂逅」

大野美波「さみしさの」

戸田和樹「風呂敷」

​●エッセイ

佐々木貴子「家出する家がない⑥」

 

●投稿詩傑作集Ⅲ

とりいじじ「ぺしゃりんこ」

松本 徹「罪障」

中村ミロ「花」

中野輝基「ばか」

乙間針璃「ひかりふる」

チナ・スズキ「12階建てのビル」

大野博司「まだ誰も知らない」

夕空しづく「爆弾に生まれた日」

結木うい「薄氷」

桑島明大「あとしまつ」

田志健斗「妊娠」

山下真里奈「小さくなったみたい」

タロウ「凧揚げ」

竹田海里「きっと気付いていないだけ」

●投稿詩からの想い

秋亜綺羅



以下は電子版のみに収録 


●投稿詩佳作集Ⅰ

川嶋ゆーじ「あの素晴しい愛をもう一度」

青星百恵「さすらいのごーいんぐまいうぇい」

波尾剣斗「テレパシー」

道森祐輔「Ctrl+Z」

弓 リツ「空白」

高平 九「雨は魔法」

大里柊平「自己、矛盾」

裏路地ドクソ「セールス」

遠藤健人「角度」

なるせ「銀座四丁目歯科」

空白「残暑が息絶えるころには」

ユキノカケラ「南蛮漬け」

吉岡幸一「別れ」

池田玲亜「明日もここにいますか」

みたこ「泳ぐ」

市枝蒔次「夏を解体する試み」

西岡 泉「恒河沙」

角 朋美「黄昏を飲んで」

神谷りくと「凍りついてしまう前に」

椿堂義明「蟷螂の斧」

石川順一「シミとシリアル」

小沢浩太郎「没入型エンターテイメント」

ウロタンケツ・ケタ「耳狩り」

酉果らどん「雷鳴の国」

才木イチロウ「休みます」

英田はるか「アヤマッテ池に落ちたニアッタちゃん」

宮せつ湖「ピンヒールを履いたゆうれい」

風 守「トワイライト」

●エッセイ

佐々木貴子「The Rose」

●投稿詩佳作集Ⅱ

朝野いの里「ある丘」

河上 蒼「凡人の血花」

齋藤 礼「キッチン」

桑田 窓「墓標」

こうやみずき「家」

絆創乞「水面」

人見補陀落「可愛かったあの子に旅をさせよう」

鬼木千舌「弾丸少女」

新道絵馬「詩日記」

小宮正人「可能性の考察 冤罪」

ぺんぎん亭ぺんぎん「今週ほうとうを食べに行く」

平松秀章「氷のない店」

山羊アキミチ「最後の少年」

紺野 真「#DIV/0!」

工能エマ「神さまは虚無なんか許さない」

高橋克知「飴細工の梯子」

黄金髪「ふたりの国」

木原光平「ふしぎすぎること」

kiki「柔軟剤の詩」

ふぉび「人外ステップ」

足駆最人「蟻」

岩倉義人「空泣き月と天辺鳥」

佐宗咲希「アングレカム」

束乃間カルマ「夕焼け」

福富ぶぶ「家の雪」

みすあ「レジリエンス」

金森さかな「盗人」

唯月さくらこ「空に問う」

●エッセイ

秋亜綺羅「人はなぜ死ぬのだろう」

●投稿詩佳作集Ⅲ

宇里宙実「薬草酒」

山田裕樹「胞子」

松野弥生「ある澄朝の詩」

妻咲邦香「やっぱり夏が好き」

よつがな「指折り数えて、またひとつ。」

HOCA「重ねて」

蒼ノ下雷太郎「箱の」

しゅがぁ~「あるひとつぜんふきとんできえるひ」

杉本啓一「オフライン」

熊野ミツオ「ザラザラ記念日」

山雀ぐり「蒸発」

露野うた「一枚の絵画」

エとセとラ「プロセスチーズ」

京のふじ「ガラスアートハート」

楸 眞弥「入道雲」

あさとよしや「そら」

佐藤由芽「家出少年」

アルコル「空想 No.3」

むらやまちあき「脱衣所にて」

檸檬「クレマチス 晩夏を過ぎて」

森の中の19さい。「ざつおん」

丘の紫陽花「夏祭り」

幻ノ月音「なりそこないのてるてる坊主」

柳沢 進「片道所感」

羽ノ砂「苺ジャムパン」

胡雪「気になるあの国家へのイチオシ・アプローチ」

安曇晋作「ななしのごんべえ」

水草まくら「吊り革の食事」

こひもともひこ「食べ物」

​●秋亜綺羅写真館



編集後記

 日ごとに秋の深まりを感じるようになりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ココア共和国10月号の発行です。それにしても今年は10月に辿り着くまでに何度、「ゲリラ豪雨」という言葉を見聞きしたのでしょう。どう考えても正式な用語とは思えない、気象を言い当てたかのような、この言葉。いつしか当たり前に用いられているのですから、言葉は不思議ですよね。兎にも角にも「ゲリラ」と「豪雨」を最初に組み合わせた人のこのセンス、スゴイことだと思いませんか。人類、何においても「最初」があったと思うのですが、ゲリラ豪雨という言葉にも、初めて海胆(ウニ)や海鞘(ホヤ)を食べた人レベルでの凄さを感じます。しかもゲリラという本来の言葉が持つ奇襲攻撃のニュアンスを避けるため、局地的大雨と言い換えている場合もあるというのですから、考えさせられます。造語を含め、事物や言葉の襞に詩を立ち上げ、読者の心を揺らす詩人としては見逃せない事柄ではないでしょうか。

 10月号の詩のゲストは麻生直子にお願いしました。麻生は日本の詩壇を牽引する筆力のある詩人のひとりでもあり、また詩誌「潮流詩派」の代表として活躍しています。このたびココア共和国に執筆いただくことができ、嬉しくてなりません。読者の皆さま方には麻生の作品から精緻な言の葉の重なり、そして微かに抑制された詩の色味を堪能していただきたいです。作品の冒頭から麻生の世界に心を奪われ、その場、その時に、自ずと引っ張られてしまうことでしょう。なお、もっと麻生直子の作品について知りたい、学びたいという方は「潮流詩派」275号「麻生直子の世界」をお読みくださいね。

 続くゲストに森崎葵、腹巻さしみ、柊、菅沼きゅうり。季節の変わり目ということで、それぞれ、対他的な温もりを感じさせる作品が出揃いました。個人的には森崎の「リカちゃん」8連目の1行の成り立ち、腹巻の「夢の競演」の最終連に目を奪われました。

 招待エッセイを雲野くじら、でおひでおにお願いしました。ふたりとも、既にココア共和国で活躍中なので、読者の皆さまに特にご紹介する必要はないのかもしれません。雲野くじらのエッセイは自らの限界を「これでもか」と掘り下げ、さらなる飛躍を試みる内容。不思議なことですが、人はこのように懸命な輝きに自ずと共鳴し、感動するようにできています。もっと言うと、雲野のエッセイに学ぶところが多々あるので、純粋な気持ちで丁寧に読んでもらいたいと思っています。器用よりも愚直な輝きがより強く言葉を穿ち、魅力を放つこともあります。でおひでおは詩作の足跡を辿り、現在地を俯瞰する魅力的なエッセイです。詩集や、詩誌「カフェオレ広場」の装画も手掛ける、でおひでおの画家としての側面、そして人柄までも行間から溢れ出てきそうです。詩との距離を言語化していく、このシリーズ、目が離せませんね。

 4コマ詩はいがらしみきお、伊藤テル、佐々木貴子。投稿4コマ詩として原島里枝、トウソクジン、まほろばしじみ、虹乃ノラン、小林椰子。最近では4コマ詩に関して、投稿の方法などの問い合わせが増えています。ますますこれからが楽しみです。

 10月号も秋吉久美子、いがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、斎藤貢からも「絶賛」を選んでいただきました。傑作集に48篇(4コマ詩投稿を含む)、佳作集には85篇の詩が掲載になりました。

 秋亜綺羅「投稿詩からの想い」、今号も熱いです。詩誌「詩と思想」のインタビューでは、ココア共和国の現在と展望を示唆したとのこと。今更ですが秋亜綺羅の詩評の鋭さは、秋亜綺羅を発掘した寺山修司由来と思って間違いないです。必読です! 毎月の投稿、期待しています。  

(佐々木貴子)




執筆者

☆秋亜綺羅 (あき・あきら)

詩人。1951年生。宮城県在住。詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)、『十二歳の少年は十七歳になった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。

「ココア共和国」主宰。 


☆佐々木貴子 (ささき・たかこ)

詩人。1970年生。宮城県在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想詩人賞、第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。

「ココア共和国」編集。​


☆秋吉久美子 (あきよし・くみこ)

俳優、歌手、詩人。1954年生。

『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。


☆いがらしみきお

漫画家。1955年生。宮城県在住。

『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。​

☆麻生直子(あそう・なおこ)

1941年生。詩人。東京都在住。

詩集に『霧と少年』(潮流出版社・1974年)、『奥尻島断章』(潮流出版社・1994年)など多数。『足形のレリーフ』(梧桐書院・2006年)にて第40回日本詩人クラブ賞受賞。『端境の海』(思潮社・2018年)にて第52回北海道新聞文学賞受賞。評論集に『現代女性詩人論』(土曜美術社・1991年)。

詩誌「潮流詩派」代表。

☆雲野くじら(くもの・くじら)

2005年生。大阪府在住。

第4回超然文学賞優秀賞受賞、第30回武蔵野文学賞高校生部門受賞候補作品選出。

☆でおひでお

1969年生。熊本県在住。

小松正二郎詩集『聲』(モノクロ―ム・プロジェクト/らんか社・2022)装画担当。第3回青木繁記念大賞西日本美術展優秀賞。詩誌「カフェオレ広場」同人。

​☆森崎 葵(もりさき・あおい)

詩人。1989年生。愛知県在住。

第2回秋吉久美子賞受賞。


☆腹巻さしみ(はらまき・さしみ)

詩人。1983年生。神奈川県在住。

第3回いがらしみきお賞受賞。

☆柊(ひいらぎ)

詩人。2004年生。宮城県在住。

第9回YS賞受賞。

☆菅沼きゅうり(すがぬま・きゅうり)

詩人。2002年生。愛知県在住。

第7回YS賞受賞。

☆伊藤テル(いとう・てる)

詩人。1987年生。新潟県在住。

第2回いがらしみきお賞受賞、第15回「1ページの絵本」入賞 。



 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。

 また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2024年12月31日に締め切られる「第5回いがらしみきお賞」「第5回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第10回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。

 4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)。




目次                     

●今月の1行

川嶋ゆーじ

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​●招待詩

木崎善夫「サードオピニオン」

真土もく「ゆるされる」

能美政通「か」

滝本政博「逃げ出す」

藤野 栞「今世は旅人」

●招待エッセイ

金森さかな「夢の構築」

熊野ミツオ「夢を見るための装」

●詩

佐々木貴子「純粋病棟」

●9月号投稿詩人のみなさんへ

秋吉久美子

いがらしみきお

●投稿詩傑作集Ⅰ

山下山彦「バナナヨーグルト」

メンデルソン三保「川辺の人」

笠原メイ「潔癖症」

高山京子「血」

川嶋ゆーじ「オアシス」

廃棄物「生きろおじさん」

西川真周「人面ウオノメ少女」

でおひでお「噂」

とりいじじ「蚊の独り言(2)」

岩佐 聡「稟議書(件名:遭遇した黒幕に対処する費用について)」

青星百恵「ペンギンになる」

七寒六温「喋れるウサギ」

こうやみずき「箱」

●4コマ詩

いがらしみきお「うえきにみずをやる」

伊藤テル「横2コマ詩(うし)」

腹巻さしみ「ある/ない」

トウソクジン「現代4コマ」

原島里枝「降り注ぐ」

まほろばしじみ「TVショッピング」

虹乃ノラン「カーテンの内側」

艸バエス「じぃちゃんち」

小林椰子「知らせ」

佐々木貴子「知らない」

●投稿詩傑作集Ⅱ

田村全子「さんた」

武田エイジ「いる!」

佐倉 潮「カラーズ」

松原紫穂「告白 」

田志健斗「切夏」

松たけ子「青純喫茶」

ツチヤタカユキ「水道水に生まれ変わるための100の方法」

樋口 塁「送電」

渋谷縷々子「自分へのラブレター」

化野道夢「わたしのことば」

ザクロ「鳥」

塔野十六郎「VR」

黒崎せな「毒性の好き」

風 守「無関心領域」

戸田和樹「夏の午後」

​●エッセイ

佐々木貴子「家出する家がない⑤」

 

●投稿詩傑作集Ⅲ

立花一道「七月某日」

響きょう「器用で可愛い全てのあなた」

雲野くじら「遅い祈り」

ハッピー浜田「曲線」

工能エマ「矛盾の中を翔けていく」

山田裕樹「平和島」

眞谷実城「うみはともだち」

早瀬ゆん「吐息が白くなっただけ」

折山晴「空想」

こひもともひこ「その重さ:『続・1票の重みと命の重さ 秋亜綺羅』に意見する」

京のふじ「寄生虫」

澪沢 澪「三枚おろしの得意な君」

繭中舞百合「こころのくらやみ」

一森キティ「アマゾン」

斎奈良佐々郎「夜のうた」

●投稿詩からの想い

秋亜綺羅



以下は電子版のみに収録 


●投稿詩佳作集Ⅰ

まったりねずみ「向こう側」

今村瞳子「令和二年七月二十九日」

岡 武士「マウンドをおりる」

裏路地ドクソ「偶像崇拝」

檸檬「夏の間に言葉に何ができるのか眺めてみた」

冬崎霧雪「浜辺で観る花火」

藍 真澄「わたしのなまえはマリアです」

伊賀ちひろ「ふと思う」

ウロタンケツ・ケタ「少頭身」

高橋克知「決心」

あけめねす「声の重奏」

秋山創亮「されども私」

結木うい「言葉」

望月「まことから出たうそ」

ブヒブヒさん「かくされたもの」

池戸則子「小さな青い鳥」

有原野分「本懐」

山雀ぐり「時間ゴム」

碧 はる「200mlの思い出」

暦「食べて仕舞いたい」

杉本啓一「或る出来事」

道森祐輔「仙人掌」

矢代レイ「ルージュ」

小沢浩太郎「深紅のバイクに乗って」

松本 徹「神様に勝負を挑んでみた」

ひじり「時速40km」

金森さかな「顔」

荒木章太郎「舟を漕ぐ」

向井柊作「アイの行方」

スバル「ネオンには程遠い」

●エッセイ

佐々木貴子「本当は悪い人じゃない」

●投稿詩佳作集Ⅱ

角 朋美「草団子の増え方」

河上 蒼「卵かけご飯」

なかむらかほ「明るい声」

紺野 真「あんたはエレクトロニカ」

英田はるか「ネコのみいはイヌのポチだった⁈」

眞夜中眞央「ギリギリ」

水山忠人「カエルラとルベルの話」

神谷りくと「依存は人の生存本能」

百野虎子「ノッキング」

西岡 泉「ありのまま」

赤城条治「小さな獏」

あおぞらかえる「トマトの問いかけに」

徳 奈都「空の顔」

絆創乞「言葉というもの」

夕空しづく「くうふく」

妻咲邦香「れいんちゃん」

香山ほたる「出かけよう」

卯野彩音「メロンの迷宮」

蝸牛「コンプライアンス警察学級」

福富ぶぶ「リストカットはカツカレー」

加藤水玉「弔辞」

夏「空頁」

イカ食べたかい「不思議な色」

山羊アキミチ「若さ」

あさとよしや「南海神殿破壊神」

kiki「学校」

近藤太一「エレベーターエスカレーター」

入山夜鷸「かがみっ子」

一文字せり「時間はとまっていない」

伽戸ミナ「水をこわがらない猫」

●エッセイ

秋亜綺羅「愛国心という種目は五輪にない」

●投稿詩佳作集Ⅲ

あち「寝る子」

こういち「豆大福記念日」

浬「いい詩が書けなくなってしまった」

麦原アリノス「悪の誕生」

空白「努力中」

湯村りす「思い出コンサート」

揺籃 歌「九月一日十八時二十三分」

みたこ「焼いた肉食べた」

てづかみさこ「考えるんだ…」

未開くるす「できないことは」

宮園伊雪「拝啓イジョーな夏へ」

坂本盟美「地獄エス」

池田玲亜「きっと、そこに」

小宮正人「蘊蓄」

西村日和「別世界」

骸骨エミリ「おとぎ話」

むらやまちあき「象」

弓 リツ「あの夏を冷蔵庫の中へ」

露野うた「旅路」

あきふかむ「手を鳴らそう」

平松秀章「ニコニコてるてる坊主」

丘の紫陽花「木苺は死なない」

一守桃子「Tokyukabukityotower」

よしおかさくら「トップを猫にすげかえる」

丸膝玲吾「事実だけ」

たいらのら「定型文」

安曇晋作「ベンチウォーマー」

かづかこう「2024年酷暑マニア」

倉橋駒子「熱帯夜にすべきこと」

三刀月ユキ「空き瓶」

中嶋凉香「こっくりさんと麦わら帽子。」

​●秋亜綺羅写真館




編集後記

 夏の終わりが見えにくい今日この頃、皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。早いもので、ココア共和国9月号の発行です。

 そろそろ編集後記を書かなければと思っていたところ、新川和江先生が8月10日に95歳でご逝去されたことを知りました。詩人・新川和江といえば、詩を書かない、詩をほとんど読むことがない人であっても、知っていることでしょう。国語の教科書で、図書館で「わたしを束ねないで」や「生きる理由」などを読み、新川和江の詩によって一瞬のうちに詩心が芽吹き、そのまま詩を書くことになった人も少なくないはず。また皆さま、ご存知のとおり、新川和江は2018年まで産経新聞「朝の詩」の選者として市井の人々が紡ぎ出す詩と、その息づかいに多くかかわってこられました。実は、わたしも2012年くらいから6年間、「朝の詩」に投稿し、何度か詩を載せていただきました。産経新聞の「朝の詩」は、本当に文字どおりの「朝の詩」で、当時は毎朝、産経新聞の一面に自分の作品が載ってはいないかと確認し、一喜一憂したものです。思えば、詩とともに一日が始まるのでした。そこから数年を経て、わたしはココア共和国の編集人となりました。ようやく原稿依頼ができる立場となり、新川先生にココアへの執筆のお願いをしたのですが、先生は産経新聞の選者を辞められた時と同じ理由で、ご辞退されました。おおらかで、お優しいだけでなく、真摯な態度で詩と向き合っておられました。本当に偉大な詩人です。心からご冥福をお祈りいたします。

 9月号の詩のゲストは木崎善夫、真土もく、能美政通、滝本政博、藤野栞。今号も各々の試みが打ち上げ花火のように見事に炸裂しています。これが例えば晩夏の花火大会のような(?)朗読会であったとしたならば、改行だけでなく、余白、句点、読点、平仮名などの視覚的要はどのように朗読に組み込まれ、聴き手に届くのでしょう。朗読することを踏まえて詩を書いてみるのも楽しいですね。

 招待エッセイを金森さかなと熊野ミツオにお願いしました。皆さまがよく知る、ココアで活躍中のふたりです。エッセイの文体はまったく違うというのに「夢の構築」、「夢を見るための装置」というタイトルで、いよいよ(?)「夢」の出現です。ふたりとも単なる〝無意識〟では括ることのできない夢と言葉の関係から詩論を立ち上げてくれました。両者の珠玉のエッセイをとおして、読者は夢に詩を沿わせ、なぞらせる詩人の感性に触れてしまうかも。

 4コマ詩はいがらしみきお、伊藤テル、腹巻さしみ、佐々木貴子。4コマ詩の投稿でトウソクジン、原島里枝、まほろばしじみ、虹乃ノラン、艸バエス、小林椰子。4コマ詩の投稿も増え続けています。たぶん、いま、どこよりも熱い、4コマ詩! どこって、どこ?

 9月号も秋吉久美子、いがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、斎藤貢からも「絶賛」を選んでいただきました。紙の本のみ所収の傑作集には49篇(4コマ詩投稿を含む)、佳作集には91篇の詩が掲載になりました。最近では海外からの投稿も増えてきました。詩をパスポートにココア共和国へ、ぜひ、どうぞ。

 秋亜綺羅「投稿詩からの想い」は、普段は詩を書いていないという方も含め、多くの方にできたら欠かさず読んで欲しいと思っています。投稿作品へのそれぞれの言及も細かいので、選者の眼差しを深く読み解くことができると思います。また今号では特に、「鳥かごの中の鳥が自由を得るには」という問いから派生して、自由の本質、不自由のありよう、その先のことについて述べています。もう、絶対、読むしかないですね。 毎月の投稿、期待しています。  

(佐々木貴子)





<執筆者>

☆秋亜綺羅 (あき・あきら)

詩人。1951年生。宮城県在住。

詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)、『十二歳の少年は十七歳になった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。

「ココア共和国」主宰。

 

☆佐々木貴子 (ささき・たかこ)

詩人。1970年生。宮城県在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想詩人賞、第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。

「ココア共和国」編集。​


☆秋吉久美子 (あきよし・くみこ)

俳優、歌手、詩人。1954年生。

『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。


☆いがらしみきお

漫画家。1955年生。宮城県在住。

『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。​

☆金森さかな(かなもり・さかな)

1995年生。東京都在住。

詩歌集に『PIKA  PIKA』(私家版・2023)。

☆熊野ミツオ(くまの・みつお)

1987年生。東京都在住

​☆木崎善夫(きざき・よしお)

詩人。1969年生。大阪府在住。

2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」(かまくら春秋社)詩部門優秀賞受賞、月刊詩誌「詩人会議」2020年・2023年 投稿欄「自由のひろば」年間優秀作品表彰。

第4回秋吉久美子賞受賞。


☆真土もく(まつち・もく)

詩人。2002年生。長野県在住。

第6回YS賞受賞。

☆能美政通(のうみ・まさみち)

詩人。1980年生。秋田県在住。

第1回いがらしみきお賞受賞、第1回秋田県短詩型文芸大会詩部門入選。

未来屋54字の文学賞入賞。

☆滝本政博(たきもと・まさひろ)

詩人。1959年生。愛知県在住。

第3回秋吉久美子賞受賞。詩集に『エンプティチェア』(土曜美術社出版販売・2023)。

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☆伊藤テル(いとう・てる)

詩人。1987年生。新潟県在住。

第2回いがらしみきお賞受賞、第15回「1ページの絵本」入賞 。

☆腹巻さしみ(はらまき・さしみ)

詩人。1983年生。神奈川県在住。

第3回いがらしみきお賞受賞。

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ここはどこだ。ここはココア共和国。きょうはここらでココアにしよう。

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一般財団法人

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